今回は、20代のうちにベンチャー、中小企業、大企業と渡り歩いたAさんと、大手転職エージェントR社で以前勤務していたキャリアアドバイザーへインタビューを行いました。
転職を考えているが、社格や従業員人数が働き方に影響を及ぼすのか疑問を持っている方も少なくありません。
実際働いたAさんの体験談とともに、転職のプロであるキャリアアドバイザーから見た、各企業の特徴や向き不向きの人材について説明します。
これから転職を考えている方は必見のコンテンツです。是非最後までチェックしてください!
Aさんの経歴について
まず初めに、20代のうちにベンチャー、中小企業、大企業と渡り歩いたAさんの略歴について紹介します。
勤務先 | 社員人数 | 創業(入社時) |
---|---|---|
中堅食品メーカー | 約500名 | 約90年 |
ベンチャー(ヘルスケア) | 約300名 | 約4年 |
大手IT企業 | 約6000名 | 約30年 |
中小企業について
Aさんが新卒で入社した、食品メーカーはいわゆる老舗の中小企業です。
どんな中小企業にはどんな社風や働き方の特徴があるのでしょうか。
職場環境の特徴について
Aさんへのインタビューにより、歴史のある中小企業には、5つの特徴があると判明しました。
- アットホームな雰囲気で、社員同士の距離感が近い
- 大幅な成長や強気の経営計画はなく、比較的まったりしている風土
- 年功序列型の人事制度(人事制度は整備されていない)
- 大手との価格勝負に勝てないため、差別化戦略、技術力で勝負する
- ベテラン層の社員割合が高い(ポストが少なく、管理職でない40-50代も多い)
もちろん全ての企業に言えるわけではありませんが、このような特徴がAさんの勤務先にはありました。
なぜ転職したのか
Aさんが転職を決意したのには、2つの理由があります。
- 年功序列の人事制度に対する不満(早期キャリアアップや自分が望む収入を見込めない)
- ルーチンワークのため成長を見込めない(新しいビジネスが生まれにくい)
当時キャリアアップ思考であったAさんは、老舗中小企業のもつ、ゆったりマイペースな環境から飛び出し、さらに成長できる環境を求め、転職を決意しました。
【キャリアアドバイザーが語る】中小企業への転職
中小企業からAさんのようにキャリアアップ思考や成長思考を目指し転職する方は多いです。一方でハードワークの会社で疲れてしまい、ワークライフバランスに重きを置いた生活をしたいと考え、アットホームな中小企業へ転職される方も数多く見ました。
向いている人材
・仕事よりも私生活。ワークライフバランスに重心を置いた生活をしたい
もちろん企業にもよりますが、比較的ゆったりした空気感の企業が多いのではないでしょうか。売り上げ目標への執着や出世競争、ハードワークが当たり前の風土など、ワークライフバランスを阻害する様々な要素から逃れたいと考える方は少なくありません。
・自分の仕事の成果や手応えを感じたい
社員数が少ないため、社員ひとりひとりの仕事が、業績や事業の方向性などに対して、ダイレクトに跳ね返ってきます。
向いていない人材
・企業ブランドを重視する
自分が働いている企業のブランドで自身を顕示したいという方は、実は多くいます。誰しもが知っている企業やサービスを扱っていることにモチベーションを感じるという価値観をお持ちの方は、中小企業で勤務することが向いていないかもしれません。なぜなら企業のブランド力が乏しく、あまり世に知られていない企業が多いからです。
ベンチャー企業について
Aさんは自身の成長を目指し、当時著しく業績を拡大していたヘルスケア系のスタートアップ企業に転職しました。
ベンチャー企業には、どのような社風や働き方の特徴があるのでしょうか。
職場環境の特徴について
Aさんへのインタビューにより、ベンチャー企業には、5つの特徴があると判明しました。
- 社員が若い
- 社員や会社の成長意欲が高い
- 制度面、コンプライアンス意識は発展途上
- 実力主義
- 自由なワークスタイル
たしかにベンチャー企業は、企業も個人もおおいに成長が期待できる環境です。Aさん転職前にかなえたかった「成長」「新しいビジネスへの挑戦」について実現することができました。
なぜ転職したのか
Aさんは、これまでにない新しいサービスを提供でき、自由なワークスタイルがあり、成長できるベンチャー企業の勤務に魅力を感じていました。しかし以下の理由で転職を余儀なくされます。
- 結婚を期に、長期的に安定したキャリアを形成する必要があった
- 親族等に転職を勧められた
ベンチャー企業は、実力主義の環境・ストックオプションで一攫千金など、うまく結果を出したり、企業が成功を収めれば大きなリターンを期待できる風土があります。しかし、一方で、経営体力の弱さから、マーケットの変化に影響を受けやすいこと、投資先が撤退すれば資金難に陥りやすいといったリスクもあります。加えて「実力主義」という環境は、どんどん昇進する社員もいれば、一方でまったく昇進しない社員もいるということです。
結婚を期に、長期的に安定した生活を送れ、世間体を意識したキャリアプランを選択される、Aさんのような転職事例はよくある事例です。
【キャリアアドバイザーが語る】ベンチャー企業への転職
「新しいサービスを生み出したい」、「実力主義の環境で、20代でマネジメントポジションに就きたい」、「ストックオプションで一攫千金を獲得したい」など考え、ベンチャー企業への転職を希望する求職者の方が多くいます。果たして、ベンチャー企業に向いている・向いていない人材はどのような方なのでしょうか。
向いている人材
・成長意欲が高い野心家タイプ
ベンチャー企業は、とにかく短期間で成長したい、高い役職に就きたいと考えるのであれば、適切な企業群です。少数精鋭という名の下、一人ひとりの仕事のカバー範囲が広いため、これまで経験したことがない仕事を多く経験できます。担当している業務に関して、オーナーシップを持ち、ミッションを遂行する必要があります。どの社員も経営に近いポジションで業務をすることで経営感覚を身に付けることもできます。会社の規模が大きくなれば、ポストも拡大するので、マネジメントを早く経験したいという方にとっても魅力的な企業と言えます。
・経営者のビジョンに共感できる
ベンチャー企業に転職する上で、経営者のビジョンに共感できるかできないかは非常に重要な要素です。
向いていない人材
・ルールや過去の事例がないと動けない
ベンチャー企業には、マニュアルや過去の事例はないケースが多いです。そのため、なにか課題があった時自分で考えて、解決策を見出す必要があります。そのため、ルールやマニュアル通りの仕事に長けた人材よりも、変化を楽しみ、自分で考えて動ける人材が活躍します。
大企業について
Aさんは結婚を期に、長期的に安定したライフプランを設計できると考え、大企業へ転職しました。中小企業、ベンチャーと渡り歩いたからこそ分かる、大手企業の特徴について紹介します
職場環境の特徴について
Aさんへのインタビューにより、大企業には、5つの特徴があると判明しました。
- 高水準の雇用条件や福利厚生
- 仕事が担当、分業性で細分化(隣の人の仕事がわからないことも・・・)
- 同じ会社でも知らない人が多い
- ルールやマニュアルが整備されている
- 出世競争が激しい
結婚を期に、収入面や福利厚生も重要と気づいたAさんにとって、大企業は魅力的な職場環境と言えます。
一方で、ベンチャー企業や中小企業で比較的自由に自分の考えを仕事に反映できた環境で働いていたAさんにとってすれば、マニュアルやルールで仕事のやり方が決まっているのは大きなギャップと言えます。
大企業では出世すればするほど、さらに収入が大きく増加していく傾向にあります。しかし、大企業だけあって限られたポストを多くの社員で奪い合うため、出世競争が激しいのも事実です。
【キャリアアドバイザーが語る】大企業への転職
結婚や出産を期に、安定した仕事に就きたい!そんな時に真っ先に浮かぶのが誰もが知る大企業ではないでしょうか。
20代・30代の転職においても、一番人気が高い企業群です。採用枠に対して、多くの方から応募が殺到するため、入社難易度が最も高いと言えます。
向いている人材
・ルールやマニュアル、会社の流儀に従える
大きな組織の中で決められた役割を決められたルールのもと全うできる、会社から指示された配属やポジションに従って働くことが大企業では求められます。そのような環境にストレスを感じず、やりがいを見出せる人材は大企業でのキャリアに向いている人材です。
向いていない人材
・仕事や個人の成長にスピード感を求める
大企業では、見積を出す、サービスを提案するなど前に、上長や決められたフローでの承認決済が必要といった場合が多いです。そのため、何をするにしても時間がかかります。加えてポジションの流動性や昇進なども、ある程度ルールが決まっているため、「20代で管理職に就きたい」と考えていても、会社のルール上実現できない可能性があります。
・成果主義、野心家タイプ
成果主義の人事制度を取り入れる企業も増えてきていますが、古くからの年功序列の人事制度が残っている企業が多いです。上司への気に入られ方や学歴など、本来評価とは別軸で考えるべき要素が、出世に関わるといった企業もなかには存在しているようです。
自分に向いている企業群がわからない場合
これから転職を考えているが、自分に向いている企業群が分からないという方も少なくありません。
そんな時に推奨するのが、転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談してみることです。
- 転職サイトの登録は無料です
- 登録しても、必ず転職する必要はありません
- 個人情報は守られますのでご安心ください
- 希望条件を伝え、どんな求人があるのかチェックすることを推奨します
ですので、転職サイトに登録し、キャリアアドバイザーと話し、自分にどんな求人が合っているのかを知ることが第一歩です。必ず転職する必要はないので、
「まずは求人を知りたい」
「自分の希望や適性にあっている業界や職種を知りたい」
と伝えるだけで、キャリアアドバイザーも適切なサービスを行ってくれるでしょう。
【気軽な相談に!】おすすめ転職エージェント
元キャリアアドバイザーとして勤務していた私がおすすめする転職エージェントを紹介します。
大事なのは、前述した通り、登録したからといって転職する必要はないので、身構えず気軽に転職にプロと相談してみようというスタンスを持つことです!
リクルートエージェント
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転職エージェントよりもフラットに相談できるかもしれません。
ただし、有料(時間制)であること。個人情報の取り扱いには気をつけることに留意し、利用しましょう。
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大手人材紹介企業R社でキャリアアドバイザーをしていました!(社内グランプリ複数回受賞)
その経験を活かし、かっこいい男性のキャリアを応援しています。
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#来年でついに三十路
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